おしゃべりコンサート 演奏家コメント【佐藤真弓さん】

こんにちは、アポロ音楽院です。

10/12(土)「おしゃべりコンサートvol.1世界を巡る音楽の旅」に出演される演奏家の方のコメントをシリーズでお届けいたします!

今回は、ピアノの佐藤真弓さんです。


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ピアノソナタ第30番、作品109

L.v.ベートーヴェン作曲

ある生徒のコンクールの曲選びで、ベートーヴェンのソナタを何曲も聞いていた時期がありました。何曲も何曲も聞いているのに、30番の音楽が私の心から離れないのです。

あまりにも胸に響くので、楽譜を開いて楽曲に取り組んでみました。とても美しく、優しく、慈悲に満ちた音楽に虜になり、いつかどこかで演奏出来たらと思っていたところにこのコンサートのお誘いがありました。

「世界を巡る」にしては、あまりにもオーソドックスかしらと思いましたが、今一番、自分の胸に訴えかけてくる音楽を皆さんに聞いてほしいと思い、この曲を選びました。

ふと気が付けば、来年がベートーヴェン生誕250周年なんですね。ひと足先に、お祝いの気持ちを込めて、演奏したいと思います。

来年、ベートーヴェンの企画が楽しみですね♪皆さんもぜひ来年はベートーヴェンイヤーを楽しんでください。

この曲ですが、ベートーヴェンピアノソナタ後期の作品にあたり、最後の3つのピアノソナタの1曲目になります。ベートーヴェンが40歳の頃(1820年)の作品です。

当時ベートーヴェンは、体調がすぐれず、病気がちで適切な校正を行うことが出来なかったため、数多くの誤植が残されたままだったようです。難聴や内蔵疾患に加え、甥カールの後見人問題など精神的苦悩の中、それでも創作に情熱を燃やし、作品を生み出していきます。

このソナタは3楽章からなり、3楽章の変奏形式の部分が1番長いのが特徴的です。

第1楽章は速度と拍子の異なる楽想をひとつにまとめあげており、当時のベートーヴェンが関心を持っていた挿入節的な構成概念が反映されています。無駄のない形式の中に込められた曲の内容は幻想的で、それまでのベートーヴェンのピアノソナタには見られなかった柔軟性が示されています。

第2楽章は第1楽章から切れ目なく演奏されます。楽章中で用いられる素材は、フォルティッシモで出される第1主題の中に集約されています。この楽章はごく短いコーダを経て勢いよく終結します。

第3楽章は変奏曲形式で、曲全体の重心のほとんどはこの第3楽章に置かれており、変奏曲がこれほどの比重を占めたのはベートーヴェンのピアノソナタでは始めての事でした。テーマには「十分に歌い、心の底からの感情をもって」と付記されています。

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アポロ音楽院

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