おしゃべりコンサート 演奏家コメント【鈴木集さん】
こんにちは、アポロ音楽院です。
10/12(土)「おしゃべりコンサートvol.1世界を巡る音楽の旅」に出演される演奏家の方のコメントをシリーズでお届けいたします!
今回は、バリトンの鈴木集さんです。
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アポロ音楽院では、生徒さんの希望にできるだけ寄り添いながら、様々なジャンルの歌作品を歌う事ができます。その中で、やはりヨーロッパの歌曲やオペラ曲は誰もが一度は耳にし、憧れ挑戦する目標の一つではないでしょうか。今回はその中から男声・低声の魅力を知って頂きたく2曲セレクト致しました。
■ビゼー作曲 歌劇「カルメン」より“闘牛士の歌”
俗称“闘牛士の歌”は、闘牛士のリーダーであるエスカミーリョが根城にしているパスティアの酒場に入ってきて歌われます。
酒場では既に軍人達が飲んでいたが、粋なリーダーは一触即発の雰囲気にはせずに、『闘いに赴く同士である貴方達と私達は盃を交わそうじゃないか』とその場の空気を見事に自分のものにし、居合わせた者は皆その歌声に酔いしれ同調して思わず声を上げるのです。
美貌と器量を併せ持ちながら、ジプシーに生まれた運命を全うする事しかできなかったカルメン。真面目で猪突猛進な性格故に盗みや密輸に手を染め、愛する女性をも殺めてしまうホセ。この2人と対照的な象徴として、純粋で一途なミカエラと男らしく色気のあるエスカミーリョが描かれ、4人各々に任せられた名アリアは、それだけでコンサートが成立する程の完成度となって今でも歌い継がれているのですね。
■カルディッロ作曲 「カタリカタリ」
カタリとは、ナポリの言葉を語り語り…ではなく、女性の名前カタリーナの略称。正式には歌詞でも歌われる"Core'n grato(つれない心)"で、1900年に入ってから出来たナポリ民謡です。
『カタリ、なぜそんな酷いことを言って僕を苦シメルノ、キミは僕の人生を奪い去ったンダ、キミに捧げた僕のことを忘レナイデ…』と、現代日本で口に出したら危険な匂いがする、SNSで発信したら通報されてしまうぐらい熱く切ない想いを、ナポリ語で訥々と、次第に激しく込み上げてくるように歌い上げます。
エンリーコ・カルーゾーの為に作曲されたと言われ、三大テノールはじめテノール歌手の鉄板曲となっていますが、"訴え力"では負けないバリトンの響きではどんなキャラクターになって届くでしょうか。
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